善逸顔でホクロを取ってきた話(後編)
前回の話の続きです。
総合病院の受診予定は決まったものの、女医先生のクリニックを受診したのが金曜日だったため、悶々としたまま週末を過ごさなければなりませんでした。
しかし、皮膚がんについて調べると、出るわ出るわ物騒な記事。
調べても無駄、と思いつつ、時間ができると調べてしまう、そんな週末を過ごしました。
さて。
週は明けて総合病院受診の日。
ここでも外来の担当は女医さん(研修医のようでした)。
テキパキとホクロを確認し、写真を撮っていきます。
「うーん、悪性かどうか心配されているとのことですけど、ホクロのがんは年配の方がほとんどで、お若い方がなるケースはほとんどないんですよね。」
お若い……。先生、カタヤマは中年ですが、、まあ医学的には若いですよね。
「あのでも、紹介元のクリニックでは、『大きな病院で…』って言われて……」
「まあ、手術を受ける場合は、大事をとって大きな病院を勧められる先生も多いですよ」
はあ、そういうものなのか。
「それほど急いでどうにか、というものでもないと思いますが、手術といってもすぐ終わるので、ご希望でしたらすぐにでも予約お取りしますよ。」
「はいもう、すぐにお願いします。最短でお願いします!」
女医さんの説明で、ほとんど眠れなかった週末を思えば気持ちは落ち着いたものの、食い気味にとにかく一刻も早く、と手術をお願いし、血液検査などを受けて(B型肝炎やら諸々の感染リスクのある病気を持っていないことを確認するためとのこと)、その日は帰されたのでした。
さて。
そんなこんなで総合病院の初診の二日後には手術。
といっても麻酔開始からホクロの摘出まで15分程度。
ホクロの周囲に麻酔を刺される時に嫌な痛みはあったものの(普段打たれない場所の注射なので、意外にもしっかり痛みを感じた。採血したり、予防接種受けたりする時の痛みはそれほど感じないのだけど)、ホクロの切除自体は「いつの間に?」というくらいの一瞬の出来事でした。
それよりも、傷跡を縫われる時の方が嫌な感覚がありました。痛みというか突っぱる感じの。
「一週間後に抜糸に来てください。病理検査の結果もその時には出ると思います。」
あー、病理検査。嫌な響き。
処方箋を出してもらい、薬局で痛み止めをもらって帰宅しました。
そんなこんなで先週木曜日。
運命の抜糸&病理検査の結果を聞く日でした。
執刀してくれた女医先生は不在だったものの、若い男の先生が見てくださり、抜糸。
さて、肝心の病理検査の結果は…。
「良性のホクロですね。断端(切った組織の端っこ)も陰性、つまりきれいに取り切れたということです」
うおーーーー! ただのホクローーーー!
よかった、よかった!
薄々そんな気はしていたけど、本当に良かった。
なんなら目尻にきらりと光るもの、又の名を涙、流しかけたよね。
「ありがとうございます! 安心しました!!」
よかった、お母ちゃんまだ子供の成長を見守れるよ! 働けるよ!
(最悪の事態を想定して、なんなら幼子二人を残して闘病する未来まで想像していた)
端から見れば滑稽に見えるかもしれませんが、私にとっては本当に深刻な数週間でした。
「でも先生、ただのホクロとはいえ、ちょっと痛かったり痒かったりしたんですがそれは……」
「うん、ホクロでもそういうことありますよ。無事取れて良かったですね。」
先生ー!
手術してくれた先生いなかったけど、誰でもいい、先生ー!
ありがとう、今日からまた私、子供たち(と夫)を大切にして生きていきます!!
そんなわけで、保険診療の3割負担で、最初のクリニックから合わせて15,000円ほどで無事ホクロをとった私なのでした。
保険診療ってすばらしいね。
でも、今回幸いにしてただのホクロだったわけですが、万が一この反対のパターンだったらすごく怖い。
ただのホクロと疑わず、もっとひどくなって診てもらったら悪性だった、というパターン。
考えるとゾッとします。
40年弱生きていると、人間いろんなところに綻びが生じてきます。
私なんか、虫歯も多いし、胸には線維腺腫があるし、Siriには(出産の勲章としての)痔があります。
それでもどっこい生きている。
可愛い子供たちを太く長く見守って、私の母ができなかった「孫の子育てを手伝う」を実現するまで元気で長生きせねば!
そう思うと、心配症ってあながち悪いことでもないよなーと思う私なのです。
抜糸から約一週間経った現在、傷口をサージカルテープで保護する必要はあるものの(そうすることで傷口が目立たなくきれいになっていくらしい)、痛みもほとんどなく、経過は良好です。
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どうでもいい余談。
前編で「善逸好きですか?」と振りましたが、10巻まで読了した現在、私の推し鬼殺隊員は天元さんです。